「たくさんの」を意味する英語表現を調べると、manyやa lot of, lots of, muchなど多くのパターンが出てきますよね。
「これってどれも同じように使えるの?」「どうやって使い分ければいいの?」
☞ 今回は、many, a lot, much, plentyの正しい使い分けについて勉強します。
使い分けのポイントは2つです。
- 数えられるものか、数えられないものか
- 肯定文か、否定文・疑問文か
Point 1. 数えられるもの・数えられないもの

まずは基本ルールを抑えましょう。
「たくさんの〇〇」の〇〇の部分が数えられるものか、もしくは数えられないものなのかによって、どれが使えるか(使えないか)が決まります。
数えられるもの=many
数えられるもの(可算名詞)のときは、manyを使います。
可算名詞は、例えば book, car, friend, song, apple など。たくさんありすぎますね…。
数えられないもの=much
数えられないもの(不可算名詞)のときは、muchを使います。
不可算名詞には、例えば water, time, money, music, rice, bread, furniture, information, news, work などがあります。
どちらでも使える=a lot of, lots of, plenty of
a lot of, lots of, plenty of は可算名詞と不可算名詞、どちらの場合でも使えます。
a lot of と lots of は全く同じです。

plenty of には、「十分なほど」というニュアンスを含みます。でも、どのくらいあれば「(十分なほど)たくさん」なのかは、人それぞれ違いますよね。
例えば、I have plenty of money.「お金ならたくさんあるぜ。」(こんなセリフ言ってみたい!)と言ったときに、十分なほどの金額が1万円なのか100万なのかはその人によって違います。
つまり、plenty of はその人にとって「たくさん」ということ。一見少ないように思えても、その人にとって十分なほど「たくさん」なら plenty of なんです。
Point 2. 肯定文・否定文・疑問文

many, a lot, muchを正しく使い分けるには、「数えられるもの」「数えられないもの」のほかに、もうひとつ気をつけるべきポイントがあります。
それは、その分が肯定文なのか、もしくは否定文、疑問文なのかです。
muchは肯定文で使われることはあまりない
muchは、不可算名詞のときに使える表現でしたね。ただ、ネイティブスピーカーの人たちは、このmuchを肯定文で使うことはあまりないようです。
世界的ベストセラーの文法書「Grammar in Use」にはこのように書かれています。
Much is unusual in positive sentences (especially in spoken English).
「口語(話し言葉)では、much を肯定文で使うことはまれ。」
Grammar in Use
例えば、「昨日、お金たくさん使っちゃった。」と言いたいときは、
⇨ I spent much money yesterday. ではなく、
⇨ I spent much a lot of money yesterday. の方が自然ということですね。
× I spent much money yesterday.
○ I spent a lot of money yesterday. / I spent lots of money yesterday.
many, a lot of, lots of はどんな文でも使える
many, a lot of, lots of は、肯定文・否定文・疑問文、どんな文でも使えます。
We use many, a lot of, and lots of in all kinds of sentences.
「many, a lot of, lots of は、あらゆる文で使える。」
Grammar in Use
「友だちいっぱいいる?」(エッ、それ聞く?)
「あまり友だちいないのね。」(失礼な…。)
「オレ友だちいっぱいいるんだ。」(なんだコイツ!)
迷うくらいならa lot of, lots ofを使おう

ここまでの内容をまとめます。
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使い分けについてはわかったけど、ひとつ問題が…。
「可算名詞なのか不可算名詞なのかわからない(迷う)!」
ということで、迷うくらいなら a lot of, lots of を使いましょう。この2つなら肯定文や否定文、疑問文、どんな文でも使えるので便利ですよね。
会話をしていて、「この人、a lot of 連発してるなー。」なんて思われることは、きっとないでしょう。
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